トヨタはWRC参戦復帰にどんな車種を投入してくるのか?また時期は?
2016/05/30
teamn23
2015/07/22 更新
先日、トヨタ自動車が2017年WRC復帰を発表しました。WRCに参戦する条件として、市販車(2500台販売しなければならないという義務もある)でなければならず、トヨタはその為のベース車「ヤリス」(和名:「ヴィッツ」)の新型を2016年に発売する方針だそうです。
FIA(国際自動車連盟)によって公認されたF1(FomulaOne)と並ぶ、モータースポーツの最高峰に位置する世界選手権で、メーカーに与えられる「マニファクチャラーズ・ポイント」と、ドライバーに与えられる「ドライバーズ・ポイント」の獲得ポイント総数を競います。
WRCは市販車をベースとしたマシンで競うため、量産車への技術の応用や、ブランディングによる販売促進への効果が大きいとされています。今季はドイツのフォルクスワーゲン、フランスのシトロエン、そして韓国の現代など世界の大手自動車メーカーが参戦しています。
トヨタは1973年にWRCが開始してから散発的に参戦してきました。90年代には本格的な活動を行い、93、94、99年と製造者部門の王座に輝くなど、世界的にも相当な実力を有していた時代もあります。しかしトヨタはF1参戦を理由に99年限りでWRCから撤退しており、18年ぶりに復帰することになります。
2015年1月30日に東京都内で開かれたモータースポーツ活動の発表会で豊田社長は以下のように述べている。
「多くの方がトヨタはいつラリーに戻ってくるのだと問うてくださった。そうした良い記憶が残っているうちにラリーに復帰したいと考えた。ただし、これは復帰ではなく、ゼロからの参戦というのが現実だ」
この豊田社長の言葉から新たな気持ちでラリーに参戦するという意気込みと、ラリーに対する熱い情熱が伝わってきます。現在のWRCはVWとシトロエンの2強状態が続いており、2013年にWRCに復帰したVWはポロをベースとしたマシンで2年連続チャンピオンに輝いているなどその実力は他を寄せ付けません。世界販売台数ではVWと首位争いをするトヨタですが、モータースポーツの世界でトップを争うのはまた別の話です。マシンの開発はもちろん、2017年の参戦ドライバーの獲得競争も重要な戦略になってきます。
トヨタはこのヴィッツをベースとしてマシンを開発しテストを実施する予定です。この新しい車はトヨタ・ヤリスWRCと呼ばれフィンランドとドイツで開発がすすめられています。そしてトヨタは2016年の春からはトヨタ・ヤリスWRCのテストを本格化させるそうです。
この写真の人物がトヨタのWRCプロジェクトのチームリーダー、トミ・マキネン氏です。
トミ・マキネン氏はWRC通算24勝、4年連続ドライバーズ・チャンピオンに輝いた実績の持ち主。
そのすべてが日本車を運転しての優勝です。
このような経歴を持つトミ・マキネン氏をチームリーダーに任命してるあたりトヨタのWRCへの想い入れの強さが感じられますね。
トヨタがWRCの戦線から退いてもうすぐ20年になります。WRCの舞台で輝く日本の車、「トヨタ」の雄姿が見られるまであと少し。今から2017年が楽しみですね。
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